生まれ育った落合や母校の歴史を学び多くの人に伝えよう―
開校150年を迎えた中津川市落合小学校の児童らが、空き教室を利用した“ミニ落合歴史博物館”「孜汲舎(しきゅうしゃ)」(「孜々(しし)汲々(きゅうきゅう)」=飽きたり怠けたりせず熱心に励み努力を続ける様)を開設。地域住民の応援を得て、記念の発表会を開きました。
学校沿革誌によれば、同校のルーツは江戸時代、高福寺で開かれていた寺子屋。明治5(1872)年の学制で孜汲義校となり同19年、落合尋常簡易小学校となって現在地に校舎を新設。同26年、落合尋常小学校、昭和22(1947)年、落合小学校に改名し現在に至っています。
こうした経緯を知った5・6年生有志が集まり昨春、歴史ある母校や落合について学び、伝承しようと活動を開始。校内に所蔵されていた六頭石斧(市指定文化財)をはじめとする石器や落合焼の陶片、昔の道具や学校建築の際納められた棟札等を空き教室に集め、「孜汲舎」と命名しました。
さらに、子どもたちの活動を支援しようと集まった地域のボラティアが「孜汲舎の会」(水野克司会長、6人)を結成。児童らは同会の協力を得ながら、医王寺や本陣などの史跡を見学したり、戦争体験者の話を聞いたりして学習。落合に伝わる昔話の紙芝居をスライド化し、昨年末には孜汲舎を開放して創立150年記念の発表会も開きました。
児童らの活動は地域に広がり、住民から寄せられた史料で収蔵品も充実。委員の児童は「地域の方から私たちの知らない落合のことを教えていただけてうれしい。全校に伝えるこの活動をこれからも頑張っていきたい」孜汲舎の会の水野克司会長は「子どもたちが落合の歴史に関心を持ち、一緒に勉強できるのは喜び。引き続き応援したい」と話しています。