
“日本茶の伝道師”としてその魅力を世界中に広めているスウェーデン人初の日本茶インストラクター、ブレケル・オスカルさん(39)=東京都在住=が5月11日、中津川市で開かれた「新茶の手摘み・手揉み講座」に特別参加しました。
オスカルさんは高校時代に出会った日本茶に魅了され、より深く学びたいと大学で日本語を修得。2010年、岐阜大学に交換留学し3年後、再来日。日本で就職して翌年、合格率30%の日本茶インストラクターの資格を取得。静岡農林技術研究所茶業研究センターの研修生となって専門知識を蓄え、日本茶手揉み教師補の資格も取得。現在は日本茶セミナー、イベント講師などとして活躍。卓抜した語学力と見識、“日本茶愛”で、マスコミに引っ張りだこのインフルエンサーです。
講座は同市駒場の市川製茶が毎年、新茶の時期に開催。オスカルさんは、講師を務めた日本茶シニアインストラクターの市川尚樹代表(63)と親交があり、「手揉みの技術を忘れないために」参加したものです。
当日は県内外の50人が参加し、午前中は市川製茶の茶園で摘採。やぶきた茶の柔らかな新芽を、「一芯二葉」の原則に従って丁寧に摘み取りました。
午後からは、摘みたての茶葉を昔ながらの「手揉み」で加工。蒸した後、和紙を張った助炭(じょたん)の上に広げ、焙炉(ほいろ)で加熱しながら揉むこと4時間=写真。転がしたり、ほぐしたり、そろえたりして形を整え光沢が出たところで乾燥させ、出来立てのお茶を試飲。
オスカルさんは「新緑と香りを楽しみながら摘み取った茶葉を、自分で加工し味わうことができ最高。作業に集中することで無我の境地に入り、日本茶の本質に触れることができるのも素晴らしい」と満足気な表情を見せていました。