段ボールシート・ケースを製造販売する「協和ダンボール」(髙木良直社長、本社・恵那市長島町)では、事業を通じて地球温暖化防止に貢献しようと業界で初めて、製品の印刷に使用するインキを全て植物由来成分を10㌫以上含んだボタニカルインキに変更。ほぼ100㌫再生可能な「リサイクルの優等生」として需要が拡大している段ボールをさらに進化させた“グリーン段ボール”で、年間6・16㌧のCO2を削減する見通しです。
避難所用パーティションやソーラークッカーなど、早くから環境に配慮した製品を手掛けてきた同社は2020年、「SDGs経営」を打ち出し、まずインキのむだを削減。それまで10㌔缶購入していたのを180㌔入りタンクに変更。本社で調色し、松本と安曇野の工場に送ることで合理化しました。
次に取り組んだのが、インキ自体の環境配慮で昨年11月、前年に発売されたばかりのボタニカルインキの導入を検討。色味や耐摩耗性、耐光性など、従来のインキに遜色ないことが分かると今年3月、髙木社長(60)の英断で全量切り替えを決定。
顧客の了承を得て6月から実施したところ、「CO2を削減するために何をしたら良いのか分からなかったが、今まで通り製品を使うことで温暖化防止に貢献できる」と評判は上々。コストは8㌫ほどアップしましたが、「地球環境を守るための投資」と考え価格は据え置き。ボイラーも順次、化石燃料からガスに変更しています。
藤岡光輔営業本部長(47)は「お客様に大変喜んでいただき、背中を押される思い。今後は結束ひもなどの副資材も生分解性素材に移行し、さらにCO2削減を推進したい」と話しています。