明智町にバイオマス発電所建設へ【恵那市明智町】
「山を守り、カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に貢献しながら発電する」夢のバイオマス発電所の建設が、恵那市明智町の工業団地内に計画されています。燃料にするのは、土砂崩れの原因ともなっている切り捨て間伐材や木の枝葉等の“産業廃棄物”。国の認可が下りれば来年度中に着工予定で、地元林業者らが協力して準備を進めています。
発電所は、恵那市上矢作町の安藤林業と明智町の丸八、岐阜市のマルエイ、三重県桑名市のレッツの共同企画。
安藤林業の安藤雅人代表(42)は8年前、「故郷の山を守ろう」と起業。東海3県を中心に間伐や伐採を行う中で、山林に放置された切り捨て間伐材や、木の枝葉が多い現状を危惧。雨水をせき止めて土砂崩れを誘発し、運び出しても「ごみ」にしからならない現状に苦慮していました。
一方で、石油製品販売会社・丸八と、大手エネルギー会社マルエイ、その関連会社のレッツが、木材を燃料にした丸太バイオマス発電を計画。
それを稼働させるためには、年間3万㌧の木材が必要であることが分かり、「絶好の未利用材活用法」と考えた安藤林業が参画。19の同業社の協力を取り付けて、木材の安定供給を確保しました。現在、経産省に同発電所の認可を申請中で、完成すれば出力1990㌔㍗で一般家庭3000世帯分を発電する計画。
昨年末、地元の川上貞夫さんが主催し、同町ふれあいセンタ―で開かれた安藤雅人代表の講演会では、地域住民ら40人を前に、広葉樹植樹の取り組みなどと合わせて、厄介者を電気に変える、“明智バイオマス発電所”の構想を発表。
「かつて町の基幹産業だった林業も現在では材価が下がり、手つかずのまま伐期を迎えた山林が増大。そこに、気候変動が重なって恵南豪雨災害が発生した。知恵を絞り、先人が残してくれた山林を守ることが、持続可能な社会につながる」と訴えました=写真。