「火防ぎの神」として知られる恵那市長島町中野の愛宕神社で、正月用のしめ縄作りが始まりました。
氏子が住む11町の自治会でつくる中野下町大組(青山貫禅大組長)では、例年、役員が、12月5日の「大祓の儀」に合わせて注連縄を製作。この日、1年の罪穢(けがれ)を祓う意味で、新しいしめ縄に張り替えます。
年々、縄をなえる人が少なくなり、既成品を購入する神社が増える中、同神社では、地域で伝統の技を継承しようと、地元の農家にわらを提供してもらい、千村三司さんの指導で、製作に取り組んでいます。
今年一回目の10月10日には、11人が参加。木槌で叩いて柔らかくしたわらの一端を束ねて結び、結び目を足で抑えて半分に分け、両手のひらでより合わせてなっていきますが、初挑戦の明知保さんは「コツをつかむのが難しい」。高木孝恵さんは「わらに触れるのも初めて」と悪戦苦闘。中には「5年目」というベテランもいて、器用に両手足を使って縄をなっていました。
作業は12月までに5回ほど行われ、直径10㌢の大しめ縄2本をはじめ、鳥居用、本殿用など、長さ5㍍から20㍍までの5本を完成させる予定。青山大組長は「しめ縄づくりを地域の伝統として守っていきたい」と話していました。