日常生活で、たんの吸引や経管栄養等の医療的ケアを日常的に必要とする「医療ケア児」(以下ケア児)の親の会「MCC(メディカル ケア チルドレン)の会」が恵那市に発足しました。発起人は、今年、ケア児として初めて、次男の剛樹(ごうき)さんが市立こども園に入園した同市大井町の渡邉大樹さん、優さん夫妻=写真。「ケア児の急増にも関わらず、受け皿がない現状を変え、子どもたちの未来に向けた協力体制をつくりたい」と会員を募っています。
新生児医療が発達し、超未熟児や先天的な疾病を持つ子どもの生存率が向上。その結果、医療的ケアを必要とする子どもの数は増加し、現在、全国に2万人以上。しかし、医療的ケアに対応できるスタッフ(主に看護師)が充分に配置できず、安全性を確保できないからという理由で預かってもらうことができず、そのほとんどは在宅。
幼・保育園はもちろん、ケア児が通所できる児童発達支援事業所も無いに等しいのが現状です。
剛樹さんは平成29年元気な男の子として誕生しましたが、生後3週間でRSウイルスに感染し、声門下狭窄症を発症。気管を切開し、装着した気切カニューレを通して呼吸をすることになり、声を失いました。
そのため、1日数十回、たんの吸引が必要ですが、それ以外は健常児と同じ。2歳上の兄と一緒に駆け回り、友達と元気に遊んでいます。
母親の優さんは看護師で、2年後の職場復帰を目指していましたが、「医療ケアを必要とする子どもを預かった先例がなく、こども園に配置する看護師が見つからない」という理由で、剛樹さんを入園させることができず断念。しかし、剛樹さんの将来を考え「家庭内だけで過ごさせるわけにはいかない」と市に要請。1年間かけて入園を果たしました。
入園したのは、園児数が少なく、目が届きやすいという理由で、自宅から20㌔ほど離れたこども園。事前に、救急救命士の父親・大樹さんが園に出向き、ケア児や剛樹さんの状況などについて説明。看護師は配置されていますが慣れるまで、優さんが一緒に登園しています。
しかし、今後、入学、進学、就労と剛樹さんの成長につれて立ちはだかる、新な関門を思い、ケア児を育てる保護者と協力する必要性を痛感。
4月、口コミで知った保護者やOBらに呼び掛け、サポータ含め約10人で「MCCの会」を発足。月1回、大井福祉センターで、活動しています。
「ケア児はそれぞれ症状が違いますが、既存の枠に収まらず、自ら切り開いていかなくてはならないのは同じ。その際、個人より団体の方が実現しやすいので、ぜひ、多くの方に加盟していただきたい」と渡邉さん夫妻。「市内外に関わらず、多くの当事者、支援者、OBに加わっていただきたい」と呼び掛けています。
中津川市に住む医療ケア児の母です。
息子は来年年少になる歳です。
現在も市役所の方と時々相談していますが、来年度から通える保育園があるのか不安でいっぱいです。
渡辺さん親子やMCCの会の方とぜひご連絡を取りたいのですが、可能でしょうか。