スポーツのスポンサー活用において優れた成果を上げた国内のクラブと企業を表彰する『Japan Sports Activation Awards 2023』で、ケイナンクリーン(近江則明社長、本社・恵那市岩村町)と中津川市付知町の付知フットボールクラブの協働によるSDGs教育プロジェクトが、最優秀賞を受賞。サッカーJリーグやバスケットボールBリーグのチーム、大企業の取組を抑えた快挙が注目を集めています。
ケイナンクリーンと付知フットボールクラブは2022年、スポンサー契約を締結。中学校教諭で、同クラブの指導にもあたる小南智和代表(41)は「サッカーだけでなく、人としも成長できる場にしたい」と、廃食用油からバイオディーゼル燃料(BDF)を精製する同社にSDGs教育を提案。
学校からの見学も多く、新社屋に環境教育用研修室を設けたケイナンクリーンも賛同。一昨年、廃食用油を「参加チケット」にしたスポーツイベントを開催し、それを機に、付知町内のスポンサーである食品スーパーに「油田スポット(廃油回収場所)」が開設されました。
昨夏はNPO全体で、保護者も巻き込んだCO2削減イベントを開催し、BDFでマイクロバスを走らせサーキュラーエコノミーの重要性をアピール。廃油の回収率が上がり、岐阜県は現在「油田プロジェクト」の全国2位。これらの地域や行政にまで広がる取り組みが評価され、最優秀賞を受賞したものです。
近江社長は「日本の家庭廃油を全て活用すれば年間26万㌧のCO2削減が可能。ぜひ、この試みを全国に広げたい」。小南代表は「応援してくださる方々の顔が見えることで子どもたちの意識が変わり、昨年の県中学生春季大会で準優勝。あすから開かれるU14新人リーグ県大会でベスト4をかけて戦うまでになりました。部活動の地域移行を好機と捉え、思いを持った企業と地域の大人が協力し、各々の強みを生かして地域の子どもたちを育てるモデルケースにしたい」と話しています。
写真=石川県の被災地に届けるBDFを前に小南代表(右)と近江社長。1月5日、ケイナンクリーン本社で撮影。