廃食用油で燃料や洗剤を製造しているケイナンクリーン(近江則明社長、本社・恵那市岩村町)と中津川市付知町のつけちスポーツクラブが8月20日、共同でSDGs体験イベント「みんなの力でCO2を減らそう」を開催。次世代バイオディーゼル燃料(BDF)給油とバス走行体験、アロマ洗剤づくりを通じて、環境の大切さを啓発しました。
ケイナンクリーンと付知フットボールクラブは昨年、スポンサー契約を締結。同社が廃食用油を回収し、軽油に匹敵するBDFに精製。その過程で出るグリセリンで洗剤を製造していることから、町内に2カ所の「油田スポット」(廃油回収場所)を開設。所属する小中学生が環境について学ぶイベントを実施しています。
今年は同FCが所属するNPOつけちスポーツクラブ全体で取り組み、小学生から一般まで、延べ80人が参加。
2グループに分かれ、「バイオディーゼル燃料給油&バス走行体験」では、ケイナンクリーンの社員が、同社のタンクローリーから、「廃食用油で走っています」の横断幕を掲げたマイクロバスにBDFを給油=写真上。町内を巡回してリサイクルをアピールしながら、車内でフィットネス系実演販売士の春岡まんたろうさんが、環境の重要性について講話しました。
「香り付き液体洗剤作り」では、ケイナンクリーンの近江隼企画室長(24)が講師を務め、同社が製造しているアルカリ性洗剤「グリポン」に、各自好みのアロマオイルを混ぜて“世界で1つ”の洗剤を製作=写真下。アロマオイルは企業が廃棄処分にする製品を活用していることや、洗剤に加えることで洗浄力等が高まるアロマがあることなどを紹介しました。
付知中学校3年生の男子生徒は、「大好きな唐揚げを揚げた後の油でバスが走るのはすごい」。小学生の子どもと参加した30代の主婦は「捨てていた天ぷら油が素敵な洗剤になってびっくり。今日からリサイクルします」と話していました。