「現代の螺鈿」と称賛され、海外で高い評価を受ける現代アート「ホログラムズコラージュ」。虹色に輝くホログラムシートを繊細にカットして張り張り合わせ、幻想的かつ独創的な作品世界を表現しているのは、恵那市飯地町の「タカユキ ヒビノアートスクール」主宰、日比野貴之さん(61)。6月30日まで同市笠置町の喫茶店アイエリーで小品展を開催中で、6月14日と24日の午後1時30分から、トークとワークショップが行われます。
名古屋市出身で、一般的な絵画を描いていた日比野さんが、この技法を考案したのは30歳の頃。龍を描こうとして思うように表現できず悩んでいた時、夢の中に現れたのが2頭の龍。それがやがて虹色に輝き始めたのを見て、「これだ」と確信。そのイメージを具現化する画材を求め、たどり着いたのがホログラムシートでした。
光の反射によって7色に変化する素材にデザインを施したもので、コピーが困難なことから、紙幣等の偽造防止にも使用。日比野さんは30年近くかけ、その柄を活かして細かくカットしたパーツをキャンバスに1枚1枚張り合わせて描き、上から保護樹脂をかけて完成させる技法を確立。
シートを彩色する箔や接着剤、保護樹脂などもメーカーの協力を得て開発。400種類以上のシートと箔を作品のイメージに合わせて選択・裁断してコラージュし、立体感のある作品を創作しています。
作品は1995年、当時最大級の「パルコ・アーバナート#4」で入賞以来、中国、インド、オーストリアなどで開かれたアートコンペで入賞。きょう6日から、東京銀座で弟子とのコラボ展を開催しています。
しかし、この技法を修得しているのは日比野さんと弟子の2人だけ。裾野を広げるためのアートスクールを開校しようと昨夏、恵那市に移住しました。
「身近に感じていただくため誰でも完成できるキットを作りました」と日比野さん。「虹色の光は心も明るくするので、ぜひ見て、体験してほしい」と話しています。参加費は3500円(材料代含む)、定員になり次第締め切り。問い合わせは📞0573(27)3833アイエリーへ。