中津川市阿木地区の店舗で500円以上買い物をすると、貸し切りで楽しむことができる“秘密の野営地” 「hy_camp_location(hyキャンプロケーション)」。「キャンプで地元を元気に!」というオーナーの想いと阿木の自然に惹かれ、国内外からアウトドアの達人たちが集まっています。
オーナーは、地元の介護福祉士・原さん(43)=写真左。原家には4つの持ち山があり、子どものころから下刈りや草刈りを手伝ってきましたが、近年は木材を売っても利益が出ず、「無駄な土地、無駄な仕事」と考えるようになっていました。
それを「価値ある土地・価値ある仕事」に変えるアイデアがひらめいたのは6年前。自分の山で野営をしてみて、景色・利便性など最高の条件であることを実感。アウトドア派の原さんは、同じような愛好家に利用してもらうことで交流人口を増やして地元の活性化に貢献できないかと考え、4つの山を野営ができるよう整備。必要な食材などを地元で買ってもらえば地域が潤うと、レシート提示を条件に無料で貸し出すことにしたのです。
人が殺到して迷惑にならないよう所在地は明かさず、インスタグラムで公開すると、多くのフォロワーを持つアウトドア上級者らが絶賛し、予想外の大反響。
40―50代会社員の“充電野営”が主流で、「全国回ってきたが、他所に行く気がしない『野営の聖地』」と他県からほぼ毎週訪れる常連や、海外から訪れる人もいるほど。一方、運営に伴う作業も増え、「家族の理解と協力があればこそ」と原さん。「利用者から有料にするよう言われますが、様々な人と出会い、語り合えることが何よりの喜び」とにっこり。
6月8日には、「感謝の気持ちを表したい」という約30人の利用者とともに阿木地区の環境整備を実施「この取り組みを、全国のアウトドア愛好家と阿木の接点にしたい」と意気込んでいます。