
31年前、介助が必要な姑と嫁10組が始め、地域の人々の心の拠り所となっていた恵那市岩村町飯羽間の「まめな会」。スタッフの高齢化等で途絶えていましたが、発起人の遺志を継いだ地元住民らが15年ぶりに復活=写真。コロナ禍で分断された地域の絆を回復しようと活動しています。
3世代家族が多く、福祉サービスも普及していなかった1991年、介護の大変さを痛感してきた元教員の故太田栄枝子さん、故田口秀子さんらが中心となってスタート。
月1回、飯峡会館に集まり、嫁たちが調理した昼食を皆で食べ、軽い体操やものづくりなどで楽しく交流。嫁・姑ともに憩いの場として好評を得、地元のデイサービスセンター「くわのみ」の利用者も加わって、毎回40人近くが参加していました。
しかし、運営するスタッフの高齢化等で、2008年を最後に休止。太田さんは、その後も「くわのみ」職員の安藤英明さん(52)に「まめな会」の必要性を訴え続け、2015年に亡くなる直前、遺言のように「ぜひ再開させてほしい」と懇願。
安藤さんはその想いを受け、地域でボランティア活動をしていた同級生の山内照子さんや、かつて嫁の立場で参加していた人々等に呼び掛け、4月に再開。老若男女を問わず、障がい者やひきこもりの人など、誰でも参加できるよう枠を広げ、毎月、第4日曜日に開催することにしました。
参加者それぞれが役割分担して運営し、5月22日には恵那健幸生活支援隊の協力を得て体操や歌、クイズなどを実施。山内さんらが、“元プロ”のお年寄りに教わりながら、筍ご飯や天ぷらなどの昼食を準備。感染予防対策をしながらも和気あいあい、会食を楽しみました。
かつて嫁の立場で参加していた80代の女性は、「昔の嫁は本当に大変でしたが、まめな会に救われました。これからは家族に迷惑をかけないよう、まめな会に参加して健康寿命を伸ばしたい」と笑顔。安藤さんは「男性の参加も多く、想像以上に喜んでいただけてうれしい。互いに助け合い、気兼ねなく、楽しく過ごせる場にしていきたい」と話しています。