中津川市子野の神明神社に、新潟県佐渡市の専門学校生が制作した社殿が奉納され、128年ぶり遷座式が行われました。
同神社は363年前の江戸時代に創建され、前の社殿は明治26(1893)年に設置。老朽化が進んだことから、新築の準備をしていた7月、馬島伸治宮司(62)が神社専門紙で、宮大工などを養成している「伝統文化と環境福祉の専門学校」伝統建築学科の3年生が、卒業制作で社殿を制作し、奉納先を探しているという記事を見つけたのです。
社殿は最も一般的な一間社流造(高さ約2㍍、幅・奥行き約1㍍)で、主な材料は佐渡固有のアテビ(市木、和名ヒノキアスナロ)。「指導した長野県の宮司も絶賛する出来栄え」とあり、氏子(佐藤和男氏子総代会長)と相談して早速応募、11月5日、馬島宮司と建築関係者が学校を訪問したのです。
制作した学生から「精魂込めた社殿を奉納させていただくのは大変光栄で、今後の励みになります。学校としても初めてのことなので、ぜひ中津川に伺って参拝したい」と挨拶を受け、トラックで大切に搬送。屋根に銅板葺を施し、海老錠を付けるなどして設置し、22日夜、遷座式を挙行。新社殿で23日の新嘗祭を営みました=写真。
「300万円ほどの建設費を想定していましたが、材料代と屋根、運送費等で半分程度に収まりました」と伊藤信之建設委員長。
馬島宮司は「子野区・東十八区の皆さまのお骨折りで、無事、社殿を改めることができました。学生さんたちとのご縁も大切にしていきたい」と話していました。