持続可能な里山環境を目指して広葉樹を植林するイベント「いのちの山プロジェクト 越沢もみじ計画」が恵那市上矢作町越沢地区で開催され、幼児から高齢者まで県内外の200人が参加。モミジやコナラ、ホウ、ケヤキなど8種類400本を植樹しました。
同地区には戦後植林された樹齢60―70年のヒノキやスギの森がありますが、崩れやすい急斜面で林道もないため搬出が困難。放置した結果、麓の集落に日が当たらなくなり、住民を悩ませていました。
そこで2019年、地元の安藤林業(同町漆原)社長安藤雅人さん(44)が山主の承諾を得て、自費で伐採。広葉樹を植樹する「いのちの山プロジェクト」を始めました。
しかし、木材は枝虫被害で通常の半値、スギ・ヒノキ以外の植林には補助金が出ないなど苦労の連続。そんな中、安藤さんの想いに賛同して協力する企業が現れ、一昨年からは、子どもも楽しめる植林体験&レクリエーションイベントとして開催。この取り組みが県・市に認められて昨年から補助金が交付され、4年間で延べ5600本を植樹。「日照時間が長くなった」と地域住民に喜ばれています。
当日は午前9時、安藤林業に集合して約30分間、急峻な山道を歩き苗木を植樹。木に名札を付けたり、スエーデントーチでの炊飯やクラフトを楽しんだりして、午後からは丸太切りや伐倒を体験。重機集材での木材搬出を見学し、林業への理解を深めました。
安藤さんは「年度内に2400本を植樹する予定。10年後、紅葉の森が広がることを楽しみに、集落の再生と『100年先の森づくり』を継続していきたい」と意気込みを語っています。