恵那市岩村町本町の木村邸で4月7日「歌江茶会」が開かれ、町民や外国人らが、フランス人職人手作りの和菓子で侘茶を堪能しました=写真。
木村邸近くで「お宿 ぬのめ屋」を営む布目裕貴さん(37)が、木村邸の茶室に老若男女が集って茶会をする文化を復活させたいと企画。「歌江」は、木村邸最後の主・木村けいさんの愛称、茶名。岩村に住む60代―80代の人々は、けいさんに招かれ、お茶の楽しみ方を学んだと言われています。
席主を務めたのは、岩村の町問屋・木屋中根家の後裔で、毎年、フランスで茶道を紹介している石州流大口派師範の中根宗健(健次)さん=大阪市。昨年のラグビーワールドカップの際にもニース市の依頼で、要人にお点前を披露した
茶席に欠かせない主菓子は、京都で専門学校の教職員として和菓子作りも教えているフランス出身のモレル・ドリアンさん(26)が製造。布目さんの妻でスイス出身のアンさん(31)と日本語学校の同期生だった縁で、前日から岩村に滞在して1つひとつ丹念に仕上げました。
茶会にはかつて木村邸でお茶を楽しんだ町民や、ワンピースに羽織姿のフランス人ら20人が参加し、「花の色」と命名された季節感あふれる和菓子と薄茶のもてなしに大満足。布目さんは「皆さんに大変喜んでいただきうれしい。今後も定期的に開催できれば」と話していました。