600本のしだれ桃が咲き誇る花の名所、恵那市串原木根の「きねしだれ桃園」。その真ん中にぽつんと建つ一軒家は築130余年の古民家。老夫婦がのんびり暮らすこの家で、4月1日から15日頃までの開花時期、ストリートピアノならぬ「古民家ピアノ」が行われます。
温泉施設「くしはら温泉ささゆりの湯」の地元・木根地区では、交流人口を増やすため、地域を「花咲く里にしよう」と、「きね四季花会」を結成。
2011年からしだれ桃を植え始め、苗も生産。4、5年前、不耕作畑を中心とする約3㌶に植えた1600本が見事な花を咲かせるようになり、ここ1、2年、花の時期には道路が渋滞するほど人気を集めています。
「きね四季花会」会長で園主の三宅明さん(82)宅はしだれ桃園の中心にあり、花の時期はまさに“桃源郷”。昨年、三宅さん宅の庭でアイリッシュフルートとケルティックハープのデュオ「コトリネ」が演奏したところ、花と音楽の相乗効果で素晴らしさが倍増。
そこで今年は、66歳の時にピアノを習い始め、現在も続けている妻の弥生さん(77)が、自身のピアノを開放。しだれ桃園に面した部屋で、花を愛でながら自由に弾いてもらおうと企画しました。
「コロナ禍で沈んだ気持ちを癒し、“希望の春”を感じていただければ」と三宅さん夫妻。「花を見がてら立ち寄って気軽に演奏したり、耳を傾けたりして楽しんで」と呼び掛けています。