2000年12月26日、当時恵那市岩邑小学校の2年生だった71人の児童と保護者が、「間もなく迎える21世紀に託す夢」を詰め込んだタイムカプセルが、22年後の今年2月20日に開封されました=写真。
当時の担任教諭だった遠山信子さん(77)=岩村町富田=と香田健治さん(56)=大阪市=が、「親子で、21世紀の扉が開かれる瞬間に立ち会う意味を考えてもらおう」と提案。
賛同した保護者会(藤浪元明会長)の呼びかけで、保護者は我が子の姿や子どもへの願い、自身の夢等を綴った文や写真など、子どもたちはそれぞれの夢や30歳になった自分への手紙などを書き、各家庭でA4判の茶封筒に入れて封印。終業式の後、担任が1人ひとりの児童に向けて書いた手紙や共同作品の絵画、ビデオテープ、写真などと共に密閉容器に詰め、校内で保管してきました。
それを2月20日、皆で集まって開封する予定でしたが、まん延防止等重点措置適用期間中で延期。代表の藤浪翔太さん(29)、西尾一希さん(同)、堀井伸泰さん、小栗克仁さん(同)が一部開封し、ビデオテープに収録されていた親子行事や劇などの動画と、担任だった遠山さん・香田さんのビデオメッセージをWEBに上げ、かつての同級生に公開。8月に改めて機会をつくり、「夢」を返却することを伝えました。
その場で自身の名前が書かれた封筒を開けた左官業の小栗さんは、30歳の自分に宛てた手紙に「おもちゃを作る人になってる」と書かれているのを読み、「今は家を作っているけど、ものづくりをしている点では正解」。西尾さんは「クラスの子と友達でいたい」という自分の手紙に、「夢、かなってるんだ」。
地元で教え子の様子を見守ってきた遠山さんは、「30歳になった子どもたちが8歳の自分と対面することで自身の生き方を見つめなおすきっかけに、保護者の皆さんには、我が子の成長や自身の変化を実感し、次のステップを踏み出す力にしていただければうれしい」と話していました。