労働力・ペットとして、古代から人間と切っても切れない関係にある馬。その魅力を多くの人に知ってもらいたいと、東京から恵那市三郷町に移住。自ら馬を飼い、乗馬体験などができる施設を始めた女性がいます。
「ベルの家」オーナーの菅野貴子さん=写真=が乗馬を始めたのは小学5年生の時。府中競馬場近くに引っ越したのがきっかけで、高校卒業まで乗馬のスポーツ少年団に所属。
馬に魅せられ、大学時代、北海道の牧場でアルバイトし、卒業後は全国展開する乗馬クラブに就職。専門的な知識と技術を身に付けてますます馬の魅力を実感。
「いつか自分で馬を飼いたい」と考え7年前、母方の祖父が亡くなり三郷町椋実の家が無人になった際、「自然に恵まれた祖父の家でなら馬が飼える」と移住を決意。
厩舎や馬場、洗い場など、馬を飼うための設備を整えながら馬を探し、5年前出会ったのがアパルーサ種の雌馬・ベル(当時2歳)。「おとなしく、誰にでも愛される馬の条件にぴったり」で即決定。子どもの頃から夢見てきた、馬との生活が始まりました。
生き物だけに、1日も欠かさず給餌、体拭き、散歩や厩舎の清掃を行う必要がありますが、「馬と一緒に過ごすことが楽しみ。さまざまな面でご協力いただいている地域の皆様には本当に感謝しています」と菅野さん。
ベルに乗って散歩する姿を見た人に頼まれたのがきっかけで、▽おやつ(300円)▽触れ合い▽曳き馬体験(1000円)から▽セルフ乗馬▽遠出コース(経験者)までの乗馬体験をスタート。定期的に訪れるファンも付き、「ベルに癒やされる」「ストレスが解消する」と好評です。
「ベルはだれにでもフレンドリーなので、地元の方々から声をかけていただき、すっかり地域になじんでいます。ベルとの触れ合いを通じて、馬の優しさや馬に乗って見る世界の素晴らしさなど、さまざまなことを体験していただきたい」と話しています。