恵那市の「中山道のれんコンテスト」実行委員会(纐纈満委員長)が、大井宿をPRするオリジナルグッズを製作しました。デザインは、京都を拠点に活躍する恵那市中野方町出身の新進デザイナー・佐藤恵月(えつき)さん(29)。「中山道のれんコンテスト」がきっかけで誕生したグッズは大好評で、4月1日、大井宿を代表する文化財の一つ「明治天皇大井行在所」がリニューアルオープンするのに向けて、今後の活用が期待されています。
同実行委員会は12年前から、大井宿の古い町並みを手作りののれんで彩る「中山道のれんコンテスト」を開催。地元を代表する催しの一つとなっています。
それを知った佐藤さんは「故郷のイベントを盛り上げよう」と、第9回(2017年)に、広重の作品に古代エジプトの壁画のイメージを重ねた『中山道物語壁画』を初出品。一昨年の第10回には中山道の発着点・京都三条大橋と東京日本橋、その間に宿場名で日の丸を描いた『中山道一路始終』を出品しました。
同実行委員会では、その素晴らしいデザインを、大井宿のPRに生かせないかと考え、佐藤さんに『中山道物語壁画』のモチーフで、手ぬぐいと缶バッジをデザインしてもらい試作。昨年末に行われた「中山道ぎふ17宿歩き旅」や、恵那文化センターで開いたのれんの展示会で紹介したところ、他地域から訪れた人々や若い世代にも好評を博しました。
一方、今春、リニューアルオープンする明治天皇大井行在所は、明治13(1880)年の明治天皇巡行の際の宿泊所で、座敷などが当時のまま保存され、建築史的にも貴重な建造物。今回の大改修で長屋門(市文化財)が移築され、市民が活用できるコミュニティスペースも充実。地域活性化の拠点として期待が高まっていることから、行在所での活用を視野に準備を行っています。
纐纈会長は「大井宿を象徴するモチーフを現代感覚でアレンジした佐藤さんのセンスは秀抜。恵那を代表するデザインとして活かしていきたい」と話しています。
佐藤(旧姓・柘植)恵月さん
中津高校、岐阜大学を卒業後、印刷会社勤務を経て2016年、 「デザインオフィスWA-plus」を設立。「日本文化の継承と発展」をコンセプトにしたデザインは全国的にも高い評価を得ており、「KYOTO STARTUP MAP」(2020年)などの作品で知られている。