
「中津川市消防音楽隊」(白石幸子隊長)が7月13日(日)14時から、中津川文化会館ホールで「創立70周年記念コンサート」を開催します。入場無料。県内の草分け的存在で全国的にも高く評価されている同音楽隊が消防団と共に、地域に根ざした防火・防災活動に努めてきた歩みを振り返ります。
■「命がけの消火活動」が“生みの親”
誕生のきっかけは、1954(昭和29)年に中津川の中心市街地・新町商店街で発生した火災。中部電力中津川営業所から出火して事務所を全焼。近くに工事用火薬の販売店があったことから何としても延焼を防ごうと、消防団は必死の消火活動を展開。大爆発の惨事は免れ、中部電力をはじめとする多数の企業から、功績を称える協力金が寄せられました。
その使途について議論した結果、「予防消防と市民の情操教育に資する」音楽隊が設立されたのです。
■東京消防庁音楽隊が後押し
折しも、東京消防庁音楽隊が名古屋で演奏会を開くことを知った当時の丸山敏治団長らは、吹奏楽の第一人者として知られた内藤清五隊長に事情を話し、中津川での特別演奏を実現。
圧巻のパレード演奏は、駅前通りを埋め尽くした観衆を魅了し、交換手も見物して電話が不通になったほど。この感動が市民の応援につながり、翌55年7月15日、22人で音楽隊が結成。56年1月、初の演奏会が開かれました。
そして64年、「中部日本吹奏楽コンクール」一般の部で優勝。68年には女性隊員も加わり、80年、後楽園球場で開催された「全国消防百年祭」に、歴史ある3団体の1つとして出演。2004年には全国から4団体に選ばれ、「自治体消防55周年記念大会」に参加しました。
■音楽の力で防火・防災訴え
現在は大学生から70歳代まで、市内在住在勤の36人が所属=同上=し、県や地元の行事などで演奏して親しまれている同音楽隊。記念コンサートではクラシック、ポップス、マーチなど幅広いジャンルの名曲を演奏。
同市消防協会ラッパ隊、福岡分団消防音楽隊「エル・ジェ」、中津川少年少女合唱団が賛助出演して盛り上げます。白石隊長は、「音楽を通じて防火・防災意識を高める活動を将来につなげるためにも、ぜひご観覧を」と来場を呼び掛けています。