中津川市中津川東町の鈴木洋一さん(82)は15年間かけ、間伐材を利用して400枚近いウッドバーニング作品=写真=を制作。そのうち、浮世絵『木曾海道六拾九次之内』の美濃17宿と木曽11宿が8日(水)から、同市中山道歴史資料館(本町)で展示されます。31日(金)まで。10日(金)は入館無料。
鈴木さんがウッドバーニング作品を作り始めたのは、建設会社を定年退職した60代後半。譲り受けたヒノキの間伐材を活用できないかと考えたのがきっかけ。
「普通の板では面白くない」と、厚さ20㌢ほどの輪切りにして、弧が25㌢ほどになるようにノミで扇状に割り、2カ月ほど乾燥。中を削ってバウムクーヘン状にした板に、ウッドバーニング用の電熱ペンで描くようになったのです。
モチーフは、本や写真などを参考に、“ウッドバーニング映え”するよう自身でアレンジ。『木曾海道六拾九次之内』は雨の中津川を含む70枚、『東海道五十三次』は楷書・隷書など3バージョン完成させたほか、『百人一首』も制作。
20種類ほどの電熱ペンを駆使して濃淡を表現し、緻密に描かれた作品の数々はどれも完成度が高く、見ごたえ十分。「1日6時間ほどかけて制作してきた」という鈴木さん。「木を割る段階で3割は破損。今は間伐材が手に入らなくなり、新たな作品を作るのは難しい」ということで、「年輪の美しさも見てほしい」と話しています。
同資料館の開館時間は午前9時30分から午後5時。月曜定休。
Tel.0673(66)6888